20世紀前半以前までは、「接着剤」と言えば、にかわ、カゼイン、澱粉、天然ゴム、漆など天然素材を素にしたものが主流でしたが、その後は高分子化学の発展により合成樹脂接着剤(合成系接着剤)が主流となりました。 にかわ、カゼイン、澱粉、天然ゴム、漆など天然素材を素にしている接着剤は(合成系接着剤と区別するために)天然系接着剤と呼ばれています。「天然」という言葉が使われているため、「人の手が加えられていない、自然のままの接着剤」というイメージを持ってしまいますが、必ずしもそういう意味ではありません。 天然系接着剤とは、天然物(主に動植物)から目的の成分を分取・抽出し、接着剤として使用出来るように加工・調整したものと言えます。昔から使われているにかわ、カゼイン、澱粉、漆なども天然物から分取・抽出・加工・調整などを経て接着剤として使用されています。 最近では、天然素材を合成樹脂の原料として使用した接着剤、天然系接着剤と合成系接着剤を混合したもの、天然系接着剤に架橋剤(合成樹脂等の分子同士を化学的に連結させるもの)を添加して使用する方法などがありますが、これらについても広義に解釈すれば天然系接着剤と言えます。
ここでは、弊社がご紹介可能な天然系接着剤について説明させて頂きます。 |
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